医療保険広告の表現見直し/高額療養費制度の注釈つける/でも自己負担額分からず、大手生保各社

 病気になったら多額の医療費がかかると強調し、消費者の不安をあおっている――。こうした批判が根強い医療保険の広告や募集文書について、一部の生命保険会社が見直しを始めた。ただ、医療費の払い戻しを受けられる公的な制度の「注釈」だけ加えるケースが目立ち、自己負担額がいくらかはっきりしないものもまだ多い。

 「治療費が高額になった場合、一定の限度額を超えた部分が払い戻される制度(高額療養費制度)があります」

 朝日生命保険は4月から、広告やパンフレットに医療費の総額を例示する場合、この注釈をつけるようにした。例えば店頭に置いている広告チラシで、胃がんの平均入院日数は34.6日で入院費用合計は「109.3万円」などと記し、その下に加えている。

 厚生労働省が昨年夏、同制度を正確に記載するよう保険業界に指導したことを受け、12月から順次見直してきた。

 外資系のアリコジャパンは以前から大半の文書に同様の注釈をつけていたが、今月20日からは入院保険のパンフレットなども対象に加えた。

 同制度を使えば一般的な所得の人の場合、1カ月に100万円の医療費がかかっても、入院中の食費などを除き、自己負担は9万円弱で済む。




朝日新聞 - 2007年4月28日