高収入会社員の保険料負担引き上げなどを検討 年金部会

 厚生労働相の諮問機関である社会保障審議会年金部会の初会合が27日開かれ、厚生年金の保険料額を決める基準の給与(標準報酬月額)の上限引き上げや、60歳以上で働く人の年金受給額引き下げ(在職老齢年金制度)の強化など今後検討する課題が示された。同部会は大きな焦点であるパート労働者の厚生年金加入問題を06年度中にまとめ、その後、保険料負担などを本格的に議論する。

 厚生年金は現在、ボーナス込み収入の14.6%を保険料として徴収するのが基本だが、現行制度では月収62万円が上限とされており、それ以上収入があっても月収62万円として保険料が計算される。このため、保険料は収入がいくら多くても月約9万円(本人負担は4万5000円)までとなる。

 一方、医療保険の上限は来春から月収121万円。厚生年金もこの水準になれば、保険料の収入増になる。高収入の会社員や保険料を本人と折半で負担する企業にとっては負担増となるが「高所得の人にも応分の負担を求める」という考えだ。

 在職老齢年金は、賃金と年金の合計が一定額を超えると年金額が減らされる仕組み。減額幅を強化することで高収入の高齢者の年金給付を今以上に抑制し、年金の給付総額を減らす。さらに、早く生まれた世代ほど支払った保険料に対して割高な年金を受け取れるという「世代間格差」を是正するのが狙いだ。

 また、70歳以上でも働いて収入のある人は厚生年金に加入させることや、国民年金の加入年齢を現行の20歳から引き上げることも検討する。

 パートの加入問題は、6人でつくるワーキングチームが関係業界などに集中的なヒアリングを行い、来年2月に素案を示すことが決まった。

朝日新聞 - 2006年12月27日