具体的なことは日銀に任せるスタンス変わらず=金融政策で財務相

[東京 5日 ロイター] 尾身幸次財務相は初閣議後の記者会見で、今月17、18日に開催される日銀の政策決定会合で追加利上げが議論される可能性について「金融面から経済を支えていただきたいとかねがね申し上げているが、具体的なことについては日銀に任せるとのスタンスは変わっていない」と述べた。

 消費税増税論議について安倍晋三首相が4日の会見で、7月の参院選挙のテーマにはならないと述べたことに関連し、尾身財務相は「07年度予算は歳出合理化ということでスタート。歳入改革については06年度決算が秋口に出るし、医療保険制度の改革でどのぐらいの支出が出るかも、秋口に出る。消費税の本格的な検討は秋口からになるだろう」とした。

 尾身財務相は8日からワシントンとロンドンを訪問するが、米国のポールソン財務長官との会談で「日米経済の状況を話し合う予定だ」と語った。また「日本の経済は順調な過程をたどっていること、来年度2.2%の名目成長は実現できるであろうということ、消費がやや足踏み状態にあることにはわれわれも注目しているが、そう遠くないうちに経済の活性化が消費にまで波及して、経済全体が底堅くなってくるだろうということを説明したい」と述べた。また、財政再建についても、税収増加にもかかわらずしっかり進める方針であり、「財政クレディビリティに悪影響はないと説明したい」とした。

 税収の大幅増加などを背景に、政府が2011年に達成することを目標としているプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化前倒しの可能性が出てきた中で、消費税など税負担の規模をどうするかといった問題について、尾身財務相は「今新しい方向付けを議論している最中で、具体的な内容を申し上げるのは時期尚早だ」と語った。その上で「高齢化・少子化の進行などは楽観できない状況。しっかり議論しながら方向付けをしていかなければならない」と述べるにとどめた。

ロイター - 2007年1月4日